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・「嗚呼 満蒙開拓団」羽田澄子監督、2008年、日本

 「痴呆老人の世界」や「安心して老いるために」などの作品で有名な記録映画
作家、羽田澄子監督のドキュメンタリー映画の秀作です。

 自身が満州からの引揚者である羽田監督は、筆舌に尽くしがたい苦労の末に日
本に引き揚げてきた人達や残留孤児達を訪ね、日本の敗戦前後の逃避行の実態を
淡々と、しかし執念と気迫を込めて浮かび上がらせていきます。

 羽田監督のインタビューに答える人達は、彼女が醸し出す独特の包容力と優し
さに包まれ、彼女を信頼し切った様子で淡々と本音を語っています。

その等身大の姿は、ドラマや演出過多のドキュメンタリーでは決して見られな
いものであり、僕の両親が折にふれて満州からの引き揚げの様子を語ってくれた
姿とダブって見えて、とても人事とは思えませんでした。

 エッセイコーナーに展示してある「行雲流水
(http://www.snap-tck.com/room02/c02/ryusui/ryusui.html)」を書くために、
満州からの引き揚げ者と残留孤児など関する色々な資料を調べたので、ある程度
のことは知っているつもりでした。

 しかしこの作品の主要なテーマである「方正(ほうまさ)地区日本人公墓」のこ
とは、今回、初めて知りました。

 この公墓のことを書き出すと長くなるので、別の書き込みにするとして、とに
かく中国人の懐の深さにあらためて感動し、中国人の大人(たいじん)ぶりに比べ
れば日本人はまだまだほんの子供にすぎないと、つくづく思い知らされました。

 この作品を見ると、国家という非人間的な組織について深く考えさせられると
同時に、国と国がナショナリズムを高揚させて争うことがどれほど馬鹿げたこと
であり、不毛なことであるかということを痛感させられます。

 羽田監督は「この映画を作り終えて、大きな重い宿題をひとつ果たした気持ち
だ」と述べています。満州からの引揚者である彼女にとって、この作品は特別な
思い入れのある作品なのでしょう。

 引揚者の子供である僕にとっても、この作品は特別な思い入れのある作品にな
りました。

                            とものり


・「チーム・バチスタの栄光」中村義洋監督、2008年、日本

 海堂尊の傑作医療ミステリー「チーム・バチスタの栄光」を映画化した作品で
す。

 「原作と映画は別物」と割り切っているものの、気に入った小説を映画化した
作品を観ると、ついつい「原作はこんなチャチなものじゃない、頼むから原作を
読んでくれ〜!p(ToT)」と叫びたくなってしまいます。

 この作品も、原作を知らなければ、娯楽作品としてそれなりに楽しく観ること
ができるかもしれません。

 しかし原作は、医師の使命と生死観、医療現場が抱える問題点、医師社会の前
時代的な封建性、大学病院内に渦巻く権謀術数と権力闘争、マスコミの偏向報道
に対する批判といった硬派なテーマを扱っており、作者の主眼はミステリーを描
くことよりも、むしろそういった問題を描くことにあると思います。

 実際、原作は、医療現場の細部と、そこで働く人達の人間性や人間関係を、現
役医師でなければ描けないリアルさで濃密に描いていて、僕が気に入っているの
もそういった部分です。

 映画化されたものは、そういった骨っぽくて(普通の人にとって(^^;))口当た
りの悪いところはきれいさっぱり取り去ってしまい、代わりに竹内結子演ずる美
人女医と、阿部寛演じるエキセントリックなTRICKキャラを入れ、口当たりの良
い娯楽作品に仕上げています。

 原作には美人キャラが出てきませんので、僕もこの竹内女医だけは気に入りま
した。(^^;)

                            とものり

>山本直樹先生

>>私はあまり知らなかったのですが、近年大平元首相の評価が上がっているようですね。

 大平首相といえば、何と言っても「アーウー宰相(^^;)」と、「衆参同時選挙運動
中の急死」と、それによる「香典票」が有名ですよね。

 また大蔵省出身の官僚政治家であり、戦後政界でも指折りの知性派であること、そ
して敬虔なクリスチャンであることや、読書家であることでも知られていました。

 でも大平首相の時代には、僕はもう会社員になっていて、学生運動から離れていま
したし、田中角栄首相ほどの見事な敵役ではなかったので(^^;)、残念ながら、それ
以上のことは知りません。

 最近、吉田首相や大平首相のような過去の政治家が再評価されているのは、国民が
現在の政治家に不満を持っているからではないかと思います。

 でもこれは、「昔は良かった」とか「今の若者は…」といった言葉と同様に、いつ
の時代でも変わらない民衆の心情を反映しているような気もします。

 現在進行中のことや、現在かかわりのある人物のことを、感情を交えずに冷静かつ
客観的に評価することは非常に難しく、ある程度の時間が経たないと、正当に評価す
ることは無理ではないかと思います。

 ところがその一方で、過去の出来事や人物については、都合の悪いことは忘れて、
都合の良いことばかりを覚えていることが多く、しかも郷愁のフィルターを通して眺
めることが多いため、どうしても良く思えてしまいがちです。

 実際、僕自身も、会社勤め時代には、自分の会社の悪いところばかりが目について、
やたらと内部批判と内部造反(^^;)をしていました。

 ところが退職して数年たった現在では、悪い思い出はすっかり忘れ、会社の良いと
ころを素直に認められるようになりました。

 これは、現在のことは虫眼鏡で観察し、過去のことは遠眼鏡で眺めることによる効
果であり、それら両方の観察結果を合わせて、ちょうど良い妥当な評価ができるのか
もしれません。

                          とものり

杉本先生

私はあまり知らなかったのですが、近年大平元首相の評価が上がっているようですね。
少し調べてみると共産党の議員ですら彼を高く評価しています。
ものすごい読書量であったようです。見てくれはぱっとしなかったのですが保守派の知性人であったようです。下にインタビュー記事を掲載します。麻生さんとは全く格が違いますね。

—— そこで、政府が頼りになる、あるいは頼らざるをえないわけだが、政府が強力なリーダーシップを発揮することの善し悪しは、いかがですか。
大平
私は、それは賛成できません。何となれば、政府が引っ張っていって、それに唯々諾々と
ついていくような国民は、たいしたことを成し遂げられないからです。政府に不満をもち、政府に抵抗もする民族であって、はじめて本当に政府と一緒に苦労して、次の時代をつくれるんじゃないでしょうか。いまは政府が先頭に立って簡単に片づくような事態でないだけに、この泥濘の中でどうして進路を切り開いていくか、一緒に苦労すべきだと思う。最近、だれの言葉だったか、「山上山あり山幾層」、頂上を極めてみたら次にまた峨々たる山があるという山幾層。「波間道あり道縦横」、波のあいだに道なんかないと見えるけれども、本当は縦横に道があるんだという、そういう言葉を読んで、そのことを非常に感ずる。いまのこの時代、不況の克服といっているけれども、ある困難を克服すれば、また次の困難がくる。その困難は、なお峨々たる山で、いっそうの困難ではないか。坦々たる舗装されたハイウエーが用意されているなんてことは、考えられない。

>Yasさん

 Yasさん、お久しぶり!(^o^)/

>>去年の夏頃には100時間を超える程の残業をしていたのですが、
>>年末から現在では、世間の不景気を受けて会社からの残業規制が出ており
>>全く残業代が付かなくなってしまいました。

 サラリーマンは残業代を臨時の小遣いとしてあてにしているところがあるので、残
業がないとけっこうつらいですよね。

 でも今は、正規の労働時間を短縮して、ワークシェアリングをしようというご時勢
ですから、残業規制は致し方ないのかもしれませんねぇ。(~o~)

 僕は残業も休日出勤も有給休暇もなく、仕事の依頼があった時が業務時間という境
遇になり、残業届けや有給届けを出す必要がなくなったので、結構気楽になりました
よ。その代わり、収入は激減しましたけどね。(^^;)

>>来週は久しぶりに海に行く予定です。ノーベル賞で有名になった
>>オワンクラゲでも探して来ます。
>>また、今月名大で行われる下村教授の講演会の参加希望もしました。

 下村先生のおかけで、オワンクラゲはやたらと有名になりましたね。何しろ、対称
性の自発的破れというわけのわからん理論よりも、オワンクラゲの方が具体的でわか
りやすいので、一般受けしますよね。

                          とものり

704. 2009年、生存連絡 投稿者:Yas 投稿日:2009/03/01(日) 21:08:22
どうも、お久しぶりのYasです。

去年の夏頃には100時間を超える程の残業をしていたのですが、
年末から現在では、世間の不景気を受けて会社からの残業規制が出ており
全く残業代が付かなくなってしまいました。
残業代で趣味を楽しんでいた私としては、非常に辛い時期です。

来週は久しぶりに海に行く予定です。ノーベル賞で有名になった
オワンクラゲでも探して来ます。
また、今月名大で行われる下村教授の講演会の参加希望もしました。

と、相変わらずクラゲと関わってます。

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